学パロです。
タークスが生徒会的な…ね。





時間になっているはずだ。
なのに、居るべき場所にいない彼。
またサボりか。誰かがそんな事を言った。

「連れてきます」

そう言って立ち上がる。
毎日のように生徒会の仕事をさぼる、サボリ魔のレノ。
集合時間を伝えても、彼が自分から来る事はない。
そんなレノを連れていくのは、シスネの仕事になりつつあった。

生徒会室を出て、一息ついた。
恐らく、またザックスと一緒にいるのだろう。
果たしてどこにいるのだろうか。
彼はいつもいろいろな場所にいて、ここだ、という場所がない。
それ故に手を焼くのだ。

「どこから行こうかしらね」

とりあえず、右に進んでみる事にした。




「らしくてよー、カンセルとロッドがさぁ…」
「はは。あそこは名コンビだぞ、と」

レノは、ザックスと3階の廊下にある小さいフロアに居た。
他愛もない話を2人でする。
勿論、やらなくてはいけない事はあるのだが。

「なぁ、レノ」
「ん?」
「今日って、集合かかってなかったか?」

それを聞くか。レノは出そうになった溜息をなんとか止める。

「さぁ、どうでしたかね、と」

勿論集合がかかっている事は知っている。
けれど、行きはしない。
決してめんどくさいわけではない。
それなりに、理由があるんだ。

レノが言えば、ザックスは「そうかぁ?」と首をかしげて見せる。
決してザックスは深追いはしない。
親友である彼の事を一番よく理解しているからだ。
本人が言った訳ではないが、何故行かないのか、それを薄々気付つきつつある。

「レノ」

背後から、聞きなれた愛しい人の声。
少し怒気がまじっているその声すら、愛しい。

ああ、やっぱり来たんだ。そんな事を呑気に考える。

「よ、シスネ」

愛想良くザックスが目の前で手をあげた。
くるりと、レノもシスネを見る。
腕を組んで、少し怒った様な表情。

「レノ? 集合って言ったはずよ。聞いていなかったのかしら?」
「すいませんね、と」

答えになっていない答えを返し、ふい、と目をそらす。
そんなレノを見て、シスネが小さい溜息をついた。

「ザックス、ごめんなさいね。レノを借りるわ」
「あいよー」

シスネはがっしりとレノの腕を掴み、生徒会室へと引っ張っていく。
レノは抵抗の素振りをまったく見せず、引っ張られる。
ザックスはそんな2人を笑顔で手を振りながら見送った。



レノは、引っ張られるのをやめ自分の足で生徒会室へと向かっている。
しかしシスネはまだその手を離すことはしていない。

「いつもすみませんね、と」

歩いている途中、レノがそう言った。

「わかっているんだったら、ちゃんと来てくれるかしら?」
「……」

シスネの問いに答えは返ってこない。
駄目もとで、聞いてみることにした。

「レノ、なんでいつもこないの?」

意外にもそれには答えが返って来た。

「ちゃーんと、理由があるんですよ、と」
「あら。是非それを聞きたいわね」

シスネが足を止めてレノに振り返る。
視線と視線がぶつかりあった。

「しょーもない理由だぞ、と」
「ええ、結構よ」
「ほんっとに、どうしようもない理由だぞ、と」
「あなたの事だもの。それくらいわかっているわ」

真っすぐに見つめてくる彼女の目。
レノは視線をそらしながら、ふぅ、と一息をつく。

「そうでもしないと、お前は俺を見てくれないからな」
「──……え」

告白ともとれるその発言に冷静なシスネは一瞬戸惑った。
そんなシスネを見て、レノが冷たい笑みを浮かべる。

「ほら、引いた」
「ひ、引いてなんかないわ!」

何故か意地になってしまう。

「俺を探しに来るのは、いつもシスネだ。行かなけりゃ、俺を見てくれるだろ、と」

確かに事実だ。レノがいなければ、ツォンはかならずシスネに連れてくるよう、言う。
それがどんな時であっても、だ。
あのツォンが、仕事よりレノを優先する。シスネの時だけは。

「ったく……あなたという人は…」
「ほら、行きますよ、と」

ずかずかと歩き始めるレノ。
シスネは咄嗟にレノの腕を掴んだ。

「明日、放課後あなたのクラスへ行くわ。絶対居るようにね」

そう冷静を装って言う彼女の頬はほんのりと紅い。
そんな彼女が、何よりも愛しくて、愛している。