告白してみたら、すっげぇ驚かれて、

「お前頭打ったのか?」という言葉も来たけど、なんとかOK。

OK……のはず、だったんだけどな。

 


初めての

 


ザックスがレノにOKをもらってからはや数日。
それからなんの進展もないという事にザックスは内心溜息をついていた。

今2人がいる場所はレノの家。2人とも朝早く起きてしまった為、出勤時間まであと1時間もある。
2人はソファに座り、レノはコーヒーを飲みながら雑誌を読み、
ザックスはぼけーっとしているだけ。そんなぼひと時を過ごしていた。

その時間がどれほど過ぎたのだろうか、ザックスが大きな欠伸をした。
そしてレノに話しかける。

「なぁ、レノ」
「なんだよ、と」

ザックスに話しかけられるが、雑誌からは目を離さない。

「キスしたことある?」
「ぶっ……」

突然すぎるザックスの言葉にレノは思わずコーヒーを吹きかける。
ぽたぽたと滴をたらすレノを見てザックスは苦笑。

「そこまで驚くか?」
「う、うるさいぞ、と!」

口を近くにあったタオルで拭い、溜息。

「で? どうなの?」
「はぁ……ないぞ、と」
「へぇ、いがーい」

なにが意外なんだろうとレノは眉をひそめた。
自分にしたことがあるというイメージでもあるのだろうか。
そんな事を考えていると。

「俺もないんだよね。本当に好きな奴としよう、って思ってたから」
「あっそ」

一蹴し、再度雑誌に目を移す。
ザックスはそんなレノがつまらないのか、雑誌をひょいと取り上げ顔を覗き込む。

「返せよ、と」
「──ス、していい?」
「は?」

よく頭で考えれば聞き返さなきゃよかったという内容のはずだ。
この流れ──……恐ろしい言葉が頭に浮かぶ。
ちょっとまて。

「キスしていい?」
「……」

思った通りだ。
嫌だ、やめろ、と言え自分。たった3文字だろ、何を拒む。

「何か言ってよ」
「……」

それでも何も言わないレノにザックスは溜息をつき席をたった。
レノしかいなくなったリビングは妙に静かで、
出勤の為家をでるまでレノはの体は硬直していた。

 

出勤前。忙しいタークスはソルジャーのザックスより早く家をでる。
さっさと家をでたいという気持ちを抑え、準備をし扉の前につく。
ふぅ、とレノは息を吐くと扉のノブに手を掛けた。

「あ、そうだ。レノ」

後ろにいたザックスがレノの腕を掴む。
なんだ、と振り返ってみれば。

自分の唇に押し当てられた柔らかい何か。
それに気づくのに幾らかの時間がかかった。

「んン!?」

そう呻き声をあげればさっさと離れるザックスの──唇。

「じゃーねー」

にこにこの笑顔を浮かべるザックスの表情。
レノはかぁっと、顔が熱くなるのを感じ、ああ、今の顔は真っ赤なんだろうな、と考えた。
しかしすぐにそんな考えも頭から抜ける。体まで熱くなってくる。
そしてレノは赤面の顔で勢いよく家を飛び出した。

それを見ても尚、ザックスの笑顔は揺るがなかった。

 

 

訓練を終えたザックスは昼食の為食堂へ来ていた。
ああ、朝のレノは可愛かったなぁ、などと呑気に朝の事を思い出す。
やっと進展があった様で嬉しい。
こんなニヤけ顔を見られては怪しまれるのは必然。
顔を普通でいさせるのに苦労した。

食堂に入って、中を見れば、目立つ赤が目に入った。
禿頭の相棒さんと一緒に食事をしている。
まぁ、社内で朝の様な事もできるわけもなく、いやしたら殺されるので
ここはあの相棒とやらに譲っておいてやろう。
そんな事を考えていると、声をかけられた。

「あら、ザックス。一人かしら?」

タークスの、シスネだ。
ぴっしりとスーツを着こなし、ザックスを見上げる。

「ああ、そうだけど?」
「丁度いいわ。一緒にどうかしら?」

一緒に昼食でも、という事か。
丁度一人だったし、大歓迎である。

「全然オッケー」

笑顔で頷くと、シスネも笑みを見せた。

「あー、俺も!」

食堂の入口から入ってきたのはロッドであった。
急いできたのか息が荒い。

「おーおー、大丈夫かよ」
「大……丈夫」

ロッドの荒い息が収まるのをまち、食事を取りに行って、席についた。

 


空いていて着いた席からはレノが見える。
ちら、と見ると何やら箸を小さくがんがん机にぶつけていた。
何かの禁断症状か、と思い苦笑。

「なぁーっ、ザックス聞いてくれよー」
「おー、どーした」

仕方ない。ロッドの愚痴に付き合ってやるとしよう。

 

 

食堂で相棒のルードと話しながら、ふと入口に視線を向ければ視界にはいったのはアイツ。
こっちは午前、朝の事のせいで仕事に手がつかなかったのに平然としてやがる。
イラッ、として箸にあたった。
そして前方からザックスに話しかけたのはシスネだ。
アイツも笑顔をふりまいて、話してる。
そしてまたイラッ、として箸にあたるレノ。
ルードが突然のレノの不自然な行動に眉をひそめた。
そしてあとから来た生意気な後輩。こいつもザックス目当てかこの野郎。
怒りは最高潮にまで達しそうだ。

「お、おいレノ?」

相棒の声も耳に入らない。
ザックスの言う禁断症状は食堂をでるまで続いた。

 

 

 

 

 

────────────────────────
終われ。
レノさんの嫉妬。それに気付かないザックスさん。
このサイトはよくレノザク化するのは管理人の趣味。

 

 

■おまけ

食事を終えてオフィスへ戻ったシスロド。

シスネ「レノ。今度任務の書類なんだけど……」

レノ「あぁ!?」

シスロド「……」

書類を乱暴にとり立ち去るレノ。

シスロド「なんかあったの(かしら?/か?)……」

 

原因はお前らだという事を知らない二人。








2009/08-09