あの子可愛い。とか
試しに付き合ってみたり。
でも、そんな感じだけ。なのに、なんだ?この感じ。
────ウソだろ?
初恋は実に
あいつと初めて会った時の印象は、あんまりいいもんじゃなかった。
ツォンと服装を比べれば、ちゃんとしてないし、
あの髪色。決してあの髪が嫌だとかそういうのじゃないんだけど。
まぁでもそれだけだった。なんだぁ?こいつ、なんて思って終わり。
けど、なんだろうな?この感じ。
触れたい、話したい。傍に、いたい。これって、何。
「ザックス。いつも悪いが、3rd達の面倒見てくれるか」
背にバスターソードを掛けるアンジール。俺の先輩。
ソルジャールームで、ぐだぐだと項垂れるザックスにアンジールは言った。
「わーかったよっ。んでまた俺一人? 毎度のことだけど3rdいっぺんに一人はきついって」
ザックスは、任務がない日、最近はいつも一人3rdの訓練をしている。
数十人の3rdを一人で面倒見ているのだ。正直きつい。
勿論後輩の前でそんな愚痴をこぼすことはないが、アンジールの前なら別。
「俺は今日任務がある。……あぁ、今日はセフィロスも行く」
「セフィロスが!? 3rdの訓練に!?」
「ああ」
さらりと言うアンジールに少々驚きつつも、内心ほっと一息。
セフィロスがいれば訓練も順調に進むし、休める。
「わかったなら、さっさと行け」
「あいあいさー」
わざとらしく敬礼をするザックスを見てアンジールは笑みを浮かべつつため息をついた。
◆
「はぁああ……だーっ、なんだよー…セフィロスがいるから楽できると思ったのに」
「残念だったな」
午前訓練を終え、汗まみれになったザックスはソファに倒れこむように寝ころぶ。
セフィロスの訓練メニューのおかげで、一人のときより更に疲れてしまう始末。
ザックスの疲れと対照的にセフィロスは汗一つかいていない。
「さ、流石英雄……」
「ふぅ……体力の問題……ではないのか」
さらっとセフィロスは言い、足をくむ。そしてコップの中の水を啜った。
何を思い立ったのか、ザックスは水を一気に飲み、勢いよく立ち上がる。
「セフィロス!」
「なんだ」
明らかにめんどくさい、その色を見せるセフィロス。
ザックスは、そんな彼がまるで見えていないのか、かまわず同じトーンで叫ぶ。
「俺も訓練してくれ!」
「断る」
まさかここまであさっり、即答されるとは思っていなかったザックスは一瞬硬直する。
幾らか時間が経ち、現状を理解したザックスは、なんでだよぉおおと、セフィロスにすがり始めた。
◆
神羅ビル、ロビー。そのロビーを、一際目立つ黒スーツの人が、約2名、歩いていた。
「あーあーあーあー、だるいぞ、と」
赤毛のタークス、レノは己の髪を、ぐしゃ、と掴む。
徹夜続きの挙句、更に今から同任務を共にこなすソルジャーとの顔合わせ。
そろそろ体力の限界だ。これはもうだるい以外何も言えない。
「…はぁ。…言ってもしょうがないわ。これが終わったら休暇もらえるわよ。……ほら、がんばんなさい」
同じく疲れているはずであるシスネに背を叩かれ、またため息をつく。
その内に降りてきていたエレベーターに、二人は乗り込んだ。
「ソルジャーと任務なんて…ろくな事ないぞ、と」
「そうかしら?…ソルジャーにも、いい人はいるわよ?」
「へぇ……見てみたいね」
エレベーターの中でしゃがみこみ盛大に溜め息をつくレノを見て、シスネは苦笑した。
ソルジャーフロアのある階につき、エレベーターを降りる。そのままブリーフィングルームへ。
入ると同時に数人の姿が確認できた。着てる服から察するに、1stらしき人が一人に、2nd、3rdが少し。
「ソルジャー1st、アンジール・ヒューレーだ」
手をだされ、一応握る。タークスレノ、と一応言って下がった。
シスネはレノより愛想良く握手を交わす。
「さて、……今回の任務だが…」
アンジールの任務の説明がはじまった。
◆
任務内容を聞き終え、ブリーフィングルームをでる。
「頼む、頼むよおおおお」
「……うるさい」
聞きなれた声。そんなやり取りが聞こえて、ふと視線を向けてみる。
「あら? ザックスと……英雄様じゃない」
シスネに言われ、「ああ、あれが英雄か」と呑気に思う。
……ん?ザックス?
かなり親しげな二人。じゃれあっている様で、少なくともセフィロスは、めんどくさそうな顔をしているが、
必死に懇願するザックスを面白がっている様にもとれる。
そうとは気付いていないのだろう、ザックスはセフィロスにすがりつく。
「そういえば、一人いたな、と」
ソルジャーの中のいい奴。あいつを認めたわけじゃないけど、他と違うのはわかる。
そんな二人を見て、少なからず苛立ちが心中にわき上がった。
こっちは疲れてるんだ。騒いで、イライラさせんな。
っとに……間に割って入って邪魔したい気分。
そんな自分の気持ちが通じるはずもなく。
「あー、うぜ」
レノは隣にいるシスネに聞こえない、小さな声で、ぼそりと呟いた。
◆
赤毛、あんな目立つ赤毛を見間違えるはずはない。
レノだ。レノだレノだレノだ。
いつものように名前を叫ぼうとしたけど、隣にいるシスネが目に入った。
なんだ……?お前ら…仲いいのか?
同じ部署なのだから、仕方ないはずなのに、そんな言葉がザックスの頭の中をぐるぐると回る。
百面相ともとれるそんなザックスを見て、セフィロスは眉を潜めた。
「……どうした、ザックス」
「なぁ」
そう言いかけ、ザックスは意味不明の言葉をこぼす。
あまり自分で深く考えた言葉ではない。よくわからないけど。
「これって、なんだろう……恋、かなぁ」
「…………」
セフィロスは深く、深く眉の間に皺を刻む。
話の説明力に欠けるその台詞に、セフィロスはただ無言だった。
*End*
2009/08 これが私の妄想セフィロス。サーセン。