学園パロで、ザクとレノは恋人同士。

 

 

 


文化祭前日。
ザックス達のクラスは、定番中の定番、『メイド喫茶』になった。
女はメイド服。男は女装するのではなく、執事の燕尾服を着るのだ。
定番でありつつも、今年メイド喫茶をやるのはザックス達のクラスだけである。

さて、あと決めるべき事は誰が接客、つまりメイドと執事の格好をするか、だ。
途中買い出し班とか、料理する人がかならずや必要なわけで、全員が接客するわけにもいかないのだ。
話し合い、まぁ5分で決定したのだが、それが終わり、班が分けられた。

執事はザックスとレノ含む11人。メイドはエアリス中心に4人。
これで、あとは明日を待つのみ──の様に思われた。


「ねぇ、11対4って変じゃない?」

とある女子の一声。……それは…つまりどういう事ですか?

「だれか女装しなさい」

どうしたらそうなるんですか?

 


「ぜぇっっったいに嫌だぞ、と!」
「はいはい、もう決まったの」

ザックスはレノの両手首をがっしりと掴んで放さない。
放せば絶対に逃げられるから。

「……レノ。この恩は忘れないから」
「忘れていい! だから放せこの馬鹿力!!」

一番女装が似合いそうな男子。……レノしかいないだろう?
女子の提案で女装は結局レノに。
しかし本人が承諾するはずもなく。

「ザックス君。バトンタッチ、よ」

自称力自慢である彼女は、ザックスににっこりとほほ笑んだ。
ザックスは頷き、彼女にレノを引き渡す。
彼女はレノの首根っこを掴み、カーテンで仕切られた部屋に放り投げた。
決して不細工じゃない。ほっそりした体つきにあの可愛い顔。
なのになんであんな馬鹿力なんだ。

 

ザックス達10人の男子は燕尾服をみにまとい、エアリス達4人の女子はメイド服へ。
ザックスが真顔で「かーわーいー」と言えば、赤面する女の子達。
…浮気じゃない。ホントのことだろ?

「できたよー」

カーテンの内側からの声。レノの女装が完成した様だ。
レノには悪いがわくわくする。果たして俺のコイビトはいかほどに?

「だぁあああああっ! 笑ったらブッ殺す!」

レノの声。「わかってますよ」と言えば渋々カーテンの中から姿を現した。


後ろに少し残し、残りを顔の横で括り縛ったあの赤い髪。
そしてフリフリのあのメイド服……!
あれに「ご主人さま」と呼ばれたなら死んでもいいかもしれない。

「かっ────」
「かわいいとか言おうとしてんじゃねぇぞ、と!」

メイドレノの拳が顔面にヒット。

「なっ…、まだ『か』しか言ってないだろ!」
「お前の考えてることなんざ言わないでもわかるぞ、と!」

あ、ちょっと嬉しいかもしれない。
そんな顔をしたらまた殴られた。

「うんうん! これで完璧だね。じゃぁお昼にしようか」

エアリスが言えば、みなそれぞれ昼食の準備をはじめた。

 

「レノ! 悪かったって。ほら、屋上行こうよ」
「行きたくてもこれじゃ行けないぞ、と」

フリフリのスカートの裾を握り、ザックスに見せつける。
ザックスは少し間をおき、思いついたように笑顔になった。
持っていたふたつの弁当を鞄にいれ、肩に下げる。

「んなの、簡単!」

ひょいとレノをお嬢様抱っこ。

「なっっ…! おま、おろせ!」
「ほーら顔隠さないとバレちゃうよ?」

ザックスはいたずらっぽく笑い、廊下にでた。
廊下には昼休み中の生徒がわんさかいる。
レノは恥を忍んで、顔をザックスの胸に押しつけ、燕尾服をぎゅ、と握った。

ザックスはあの愛想の良さから異性にも同性にも人気がある。
女子にはもて、男子には慕われ。
そんな彼が赤髪のメイド美女をお嬢様だっこ。
歩くだけで一際目立ってしまうのは致し方ない事。
だが、その赤髪メイド美女がレノだという事は、ザックスとレノの同じクラスの者しか知らない。
あの子誰?、だとか。あの子彼女?、とか。
二人が通るたびこそこそ話をしはじめる生徒。
なかにはハンカチを噛む女子もいた。

あともう少しで屋上、というところで声をかけられた。
ザックスの友達数名だ。

「なぁなぁ! ザックス、その子誰!?」

レノとも一応知り合いだ。レノはばれまいと強く強く顔を胸に押しつける。
ザックスはそんなレノを見つつ、に、と笑む。

「俺の彼女」

そう言い残し屋上へとあがる二人を、誰も止める事はできなかった。

 


──屋上のさらに上。。爽やかな風が吹くこの場所は二人のお気に入りの場所だった。
レノは人目がつかない場所に来て、ザックスの腕から飛び降りる。

「『俺の彼女』ってどういう事だよ、と!」
「言葉の通りだけど?」
「お前なぁ! 新聞部にでも探りいれられたらめんどうだろうが!」
「いいんじゃない?」

あーっ、といらだつレノ。二人がこんな関係だなんて誰も知らないのだ。
レノはそれがバレるのが嫌で。

苛立つレノを見てザックスは溜息。
立っていたレノを引っ張り、抱く。

「ざ、ザックス?」
「レノは俺の彼女、いや、恋人はヤダ?」

ザックスのあの「空色の目」でじぃ、と見つめられるレノ。
どんどん赤面してく。

「ヤじゃないぞ、と」

ザックスは満足そうにうなずき、額に唇を落とした。

 

 

 

 

 

 

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あらためて見るとひっどい文…これ見た人ごめんなさい…